<2019年6月Vol.7号>
こんにちはレッドスターコンサルティング株式会社の代表大野晃です。
『稼げる税理士になりたければ税務の勉強する時間を大幅に減らそう!』
私は、税務の他の人が知らないニッチな法律や裁判判例、忘れ止め防止のためにも、税務の再教育を愚直に自習していれば、『稼げる税理士』になれると本気で思っていました。
そのため、プライベートの時間をガッツリ削って税務、元国税OBによる税務調査関係のセミナーに出席し、裁判判例、専門学校の実務講座、実務書を用いた自習を毎日、まじめに実行してきました。
約2年間で300万円近くは税務関係の自習に投資してきました。
しかし残念ながら、税務をいくら勉強しても『稼げる税理士』にはなれなかったのです。
稼げない理由としては大きく分けて3つ
- 中小企業税務は税理士の免許もっていない職員でもできる簡単な税務しか使わない
- 国税OBや専門化税理士法人の存在による壁
- スター級の税務講演家で稼ぐのにポストが既に埋まっている
まず
1.中小企業税務は税理士の免許もっていない職員でもできる簡単な税務しか使わない
一般的な税理士事務所の顧問先の規模は、売上5億円未満の中小企業の顧問先がほとんどです。
この規模の顧問先の場合、税理士試験で学んだ事の2割から3割の知識があれば十分なのです。
なにしろ税理士資格のない未経験者の職員が2,3ヵ月で顧問先を担当する時代ですからね。
この規模の顧問先を相手にするのであれば税務で差別化するのは無理。
つまりコモディティ化したサービスなので、例え他の税理士より高度税務の知識を持っていることを顧問先へプレゼンした所で、実践では使わない税務の知識に顧問料を多く払おうという顧問先はいないのです。
次に
2.国税OBや専門化税理士法人の存在による壁
高度な税務を使うクライアントを探して、高度税務の勉強で学んだ知識を実践で使おうと考えても結局の所、国税OBや専門化税理士法人のナレッジには個人レベルでは絶対にかなわないし、国税OBの調査経験&国税側の考えについて、受験勉強組税理士ではナレッジを手に入れられないだけでなく、ブランディング面でも勝てないのです。
顧問先が税理士と顧問契約をしたい理由のメインは確定申告代行ですよね。
とにかく税金を安くして税務調査で問題のない確定申告を作ってほしいと思うのが、クライアントの本音ではないでしょうか。
ホームページに元国税OBが税務調査をやってきた視点で、ギリギリまで節税して税金を減らします、というようなキャッチフレーズを国税OB税理士がうたったら、普通の税理士では太刀打ちできないと言う事になります。
国税OBと一般の税理士のタッグの税理士法人には一般の税理士しかいない事務所では絶対に敵わないのです。経費算入のギリギリのラインが一般の税理士にはわからないからです。
そういう意味では一般の税理士事務所も国税OBを顧問くらいには置いておく必要があると思います。
そして、専門税理士法人の壁。
具体例をあげると、相続で言えば土地の評価について、セットバックや都市計画道路予定地、騒音などによる10パーセント減額の宅地など実務で普通の税理士がまともにやろうとすると慣れていないので大変です。
区役所の建築基準課に行ったり、都庁に行ったり、現地に行ってセットバックなどの確認をしたりと、初めてやる税理士だと合っているのかの判断もつかないですし、しかも、時間が相当かかったとしても、別途料金をもらえるようなところではありません。
どんなにクライアントに大変だったと言ったところで、その苦労は伝わらないし、報酬UPも望めないので全く報われません。
また、専門税理士法人は毎日同じ仕事をしているため、効率も利益率もよいのです。
3.スター級の税務講演家で稼ぐのにポストが既に埋まっている
税法を毎日勉強して税務の講演家として活躍し、本を書こうと思ったとしても、各々の税法にスター級の専門家の大御所が出揃っているので、スター級の税務専門家のポストにつくのは雲をつかむような思いになるでしょう。
この領域は税務を猛勉強して大御所と肩を仮に並べるようなナレッジを手に入れたとしても政治的要素も強いでしょうから、知識的な実力だけでは厳しいかもしれません。
以上、この3つの理由により、税法をたくさん勉強しても稼げる税理士にはなれないと今は思っています。
じゃあ、稼げる税理士になるためにどうすればよいか?
税法以外の経営関係の知識を学び実行する事です。
顧問先は経営者なので税理士と税務の相談以上に『経営』の話がしたいのです。
- 売上をどうUPさせればよいのか?
- 人の採用やマネジメント
- 資金繰り等の悩み
を税理士に相談したいのです。
そのためには敢えて『税法』の勉強の時間を沢山していた人は半分、いや4分の1くらいにして空いた時間で税務以外の経営の知識をガッツリ学び、行動し、その結果について改善していきましょう。
まず、敢えて税法を勉強する時間を減らすと言う勇気が稼げる税理士への第一歩なのです。
以上 今回も最後まで見ていただきまして誠にありがとうございます。